先月の10/14にDevOpsのSaaSプラットフォーム「GitLab」が1兆円規模で米NASDAQ市場に上場したことが話題になりました。
GitLabはウクライナ発のスタートアップ企業ですが、拠点が世界中に点在していて離れたメンバーが成果をあげるのに、リモートワークの仕組みをどう作りあげてきたのか注目したいと思います。
リモートワークマニフェストの和訳がコチラの記事で紹介されていますが、知識の文書化を徹底していた事が要因として大きかったのかなと思います。
会社運営について文書化された「ハンドブック」が公開されており、冒頭で書かれてるように印刷すると2000ページを超える文量で日々更新し続けています。
日本でも感染症対策でリモートワークを導入する企業が2020年あたりから格段にふえたとおもいますが、私自身もオフラインの時とはコミュニケーションのとり方がだいぶ変わったと感じています。
オフラインの時だと文書化しているものもあれば、文書化せず自身の経験値から導いた線引きのもと仕事をすすめる事が多分にありました。
所属する組織や部署での経験が長ければ自身に蓄積した知識のもとに仕事を進められますが、リモートワーク以降に中途や新卒で入社された方は困ることが多いのではないでしょうか。
リモートワークで顔が見えない状況だと上司や同僚の人間性がわからないため、人によっては話しかけられず一人悩んでしまう事もあるとおもいます。
そういった時に業務知識が文書化されていたら、キャッチアップもしやすいですし、マネジメントする側にとっても文書が説明を代行してくれるので助かりますよね。
とはいえ私も各クライアントとともに社内向けに「知識の文書化」をやっていましたが、習慣として実施していかないとなかなか知識が蓄積していかず断片的な書庫になってしまいがちだったのと、業務では時おりそこに至る経緯をふまえての考察が必要な場面もあるため、文書は過去の履歴も参照できたほうがよいです。
そのためGitLabが文書化にバージョン管理システムのGitを採用したのは同社が手掛ける事業ともマッチしていてベストな選択だとおもいます。
ひと昔まえだと更新する度に別バージョンのファイルを作ったりしたものですが、変更履歴がわかりにくい課題がありました。
いまだとGitのほかにもGoogleドライブなどのSaaS製品なら課題は解消されているものも多いですが、いずれにせよどのツールで文書化していくのかは企業にあった方法を慎重に考えるべきです。
また習慣化するための文化作りという意味においてはリーダーシップが必要だと思います。
文書化したので困ったらここを見てね、というのをリーダーが率先してやっていると少しずつメンバーにも浸透して上手くまわっているのをこれまで見てきました。
文書化は業務としては地味でつい後回しにされがちですし、本気でやろうと思ったらコストもそれなりかかると思いますが、それでも成功した際にはリモートワークを前提に採用の幅を広げたり、コミュニケーションやマネジメントのコストを下げるのに効果を発揮するのではないでしょうか。
今回はGitLabの取り組みについてご紹介しました。ご覧いただいた方に気付きとなる内容であったなら嬉しいです。
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